あなたはアトピーの治療で『漢方薬を取り入れるかどうか』悩んだことはありませんか?
私の子は病院を変える前に、皮膚科の先生に処方してもらった漢方薬を飲んでいた時期があります。うちの子には効果はいまひとつでしたが、最近は病院でも漢方薬をを処方してくれるところも増えてきました。それだけ東洋医学が身近になってきたということでしょう。
現在通院中の病院でも、実際に他の患者さんからも、『漢方薬も併用して治療したい』『民間療法で漢方の使用を考えている』といった話も時々あるそうです。
漢方薬は実際に効果があるのでしょうか?今回は漢方薬についての話なので、漢方を検討している方は参考にしてみてください。
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漢方薬は効果があるの?
結論から言うと『日本の漢方治療はまだまだ未知数』といえます。
理由としては、【漢方医学の診察(四診)】【漢方は中途半端な知識では処方できない】 など、漢方はとても奥が深く、よほど漢方に精通していないと適切な処方は困難だからです。
そもそも漢方を使った治療は、西洋医学の治療と比べると、診察方法や考え方が根本的に違っているのです。それを西洋医学を学んだ医師が漢方を処方するには少々無理があります。
では、漢方医学の診察とはどのように行うのでしょうか。ここでは基本の流れをご紹介します。
漢方医学の診察(四診)
漢方は経験に基づいた医療で、西洋医学と考え方が全く違います。 漢方の治療の基本的な考えは『体の内側から治す。病気は内臓の毒素が原因にある』といった考えで治療を行います。
診察は【四診】と呼ばれ、次の「望」「聞」「問」「切」の4つの方法で行い、さらに医師の五感を使って、患者の病状を判断していきます。そして四診・五感全てを含めて判断した結果を【証(しょう)】と呼びます。
- 望診(ぼうしん)
医師の肉眼で診断する。体格や顔色、舌の状態を見て判断すること。 - 聞診(ぶんしん)
医師の聴覚と嗅覚を使った診断。患者の声や呼吸、咳などを聞き、口臭や排泄物の臭いを観察する。 - 問診(もんしん)
普通の問診のように、病歴や持病の有無などですが、一見関係の無いような質問もすることがあるそうです。患者の声から診断する方法。 - 切診(せっしん)
患者に触れて診断する方法。脈をみたり、お腹の状態を確かめるなどして判断をします。
このほか、炎症の有無を「陰と陽」で区別し、体力などの身体的所見を「虚と実」に分けて治療していきます。
漢方は中途半端な知識で処方するのは危険
漢方医学の歴史は古く、日本で漢方医学が盛んになってきたのは16世紀頃と言われていますが、厚生労働省による漢方の専門医としての認定制度については2005年になってからです。つまり日本で本格的な漢方治療の歴史は浅く、漢方の専門医と呼べる人達も全国に約2,100名程度とまだまだ少ないのが現状です。
中国では、西洋医学を学ぶ学校と中国の伝統医学を学ぶ学校は違います。また、それぞれの分野が分けられているので、西洋医学を学んだ医師が漢方を処方することはありません。
西洋医学と同じく、漢方についても多くの知識と経験が必要とされてくるのです。
「漢方は副作用がない」と思っている方がいると思いますがこれも間違いです。四診などで正確に患者の病状を把握して処方しないと逆効果になることもあります。
アトピーに有効とされている漢方
とはいえ、漢方はアトピーに全く効果がないとも言い切れないのが現状です。ただ、実証がされていなかったり、データが不足しているので効果があると確約できないのです。
代表的な漢方薬
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
皮膚の血行促進、炎症を抑えるのに効果があると言われています。
白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
体の熱を下げ、痒みを沈める効果があると言われています。また、のどの渇きを抑えるといった効能もあります。
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
最近の繁殖を抑える。熱や腫れを抑えるといった効果が期待できます。
小柴胡湯(しょうさいことう)
炎症を抑え、肝臓の機能回復に効果があると言われています。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
アレルギーがあり、化膿しやすい、体力虚弱などの改善に効果があると言われています。
消風散(しょうふうさん)
熱やかゆみのあるジクジクした湿疹などに効果があると言われています。
柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
炎症を和らげる、血行促進に効果があるとされています。
当帰飲子(とうきいんし)
乾燥などして分泌物のすくない湿疹とかゆみに効果があるとされています。
などなど、漢方にも色々あるので、症状などに応じて飲用するものが変わってきます。漢方薬は奥が深いのです。
しいて言うなら《温清飲》は評価が高い
漢方は効果の実証データがまだまだ足りないのでなんとも言えないのですが、【温清飲(うんせいいん)】とという漢方薬は市販されていて、こちらのサイト(NAVERまとめ)でも紹介されています。アトピーに悩む人が身近に試せる漢方の一つではないでしょうか。
ただし、一人ひとりに合わせた薬ではないので、効果はそれぞれだと思います。
まとめ
アトピー治療に漢方を併用して、早く治したいという気持ちはとても理解できます。私も『これだ!』というものがあれば迷わずに使っているでしょう。
しかし、日本の漢方治療はまだまだ歴史が浅く、さまざまな噂が飛び交っているのが現状ですので、本当に漢方でアトピーを治したいという意思がないと正直おすすめはできません。
実際に漢方を併用している方もいますが、症状が良くなったのは別の薬の効果かもしれないからです。併用しているとなかなか効果はわかりにくいですし、漢方だけに頼るのは勇気が必要です。
また『漢方は副作用がない』『体に優しい』と考えるのは危険です。間違った処方で飲んでしまうと、たとえ漢方でも副作用はあります。陰陽虚実を間違った場合ですね。
本格的な漢方治療を考えているのであれば、 漢方に精通している方が身近にいない場合はおすすめしません。それでも試してみたいというのであれば、主治医や薬剤師に相談してからはじめるのが良いでしょう。
ちなみにうちの子の通っている皮膚科の先生は『漢方出してもいいけどあんまり期待しないでよ。それより保湿ちゃんとやってる?』と、保湿をやたら気にしてきますw
>>わが家はお風呂でもアトピー対策!くわしくはこちらもご覧ください。
先日主治医から
「アトピーもう治ったね」
とアトピー治療終了の太鼓判をいただきました!
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